7.共振、位相、同相、逆相
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外部からある系にエネルギーが供給されるのは、系が運動しょうとしている方向に外力が作用するときです。そうすると質量系は加速され、バネ系は変形のエネルギーを蓄えることになります。
共振を考えてみますと、共振では時間と共に、エネルギーが供給されて振幅はどんどん成長していきますが、それは、外力の振動の位相に、外力が作用して
揺れる質量の変位の位相がちょうど90度ずれて遅れている為に、外力と速度の方向が一致してどんどんエネルギーが振動系に入るからです。
なぜ位相が90度遅れるかは共振の振動数の時に復元力に慣性力が一致してしましまい、動的な復元力がなくなり外力の方向にうごかされてしまうからです。
外力の作用のタイミングと構造物の応答のタイミングに、振動数に依存した特長がある。これは位相と呼ばれ、共振点より小さい振動数では、構造物は外力の振動に対して90度より小さい位相遅れ、すなはち同相(外力の作用の方向と構造物の振動の方向が同じ)と呼ばれるタイミングで振動する。逆に共振点より大きい振動数では、構造物は外力の振動に対して90度より大きい位相遅れ、すなはち逆相と呼ばれるタイミングで振動する。
共振はばねの復元力と慣性力が釣り合って動的な復元力がなくなり、減衰要素による抵抗力のみなる場合であり、構造物に一番多くエネルギーが入る状況である。減衰がなければ減衰要素で消費されるエネルギーがないために物体に外力源から入るエネルギーがどんどん蓄積され振動振幅が成長する事になる。
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