20.構造専門用語の定義は重要

構造専門用語と言えどもは時々定義不十分で混乱を招くことがあります、例えば、建物の骨組みが@力を吸収するA変位を吸収するB振動を吸収するCエネルギーを吸収する等々は話し言葉では殆ど同義に捉えられます。混乱の原因は地震の性質と建物の吸収スタイルを的確に対応して説明できていない事が考えられます。弾性の世界でやや厳密に捉えると地震による建物が受ける慣性力の吸収は@に対応し、鉄骨ラーメン構造はかなりの変位を弾性範囲で吸収しますが、この場合はAに対応しているとも言えます。「耐震構造」は字の如く振動に耐えるでBに対応しますが@のイメージもあります。「制震構造」はBとCで振動エネルギー吸収のイメージですが減衰で表現できます。地震のタイプで分類してみますとT:衝撃に近い短周期の地震、U:0.5秒〜1.0秒の中周期の地震、V:4秒以上の長周期の地震、に大別されます。Tは@AでUは@ABVはBCの吸収に関連しそうです。弾塑性の世界においても全てに関連する広義のエネルギー吸収が単なる弾性変位吸収のポテンシャルエネルギー吸収と熱エネルギーによる吸収と消散である塑性変位の履歴減衰エネルギー吸収、各種ダンパーの減衰エネルギー吸収は異なり、明確に分けて定義する必要を感じます





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