建築家のロマンを追及する 
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26.構造/あんなこと・こんなこと
通常の弾性は除荷すると元に戻る性質である。しかし材料・構造フレームの静的加力実験の結果を示す、荷重と変形の関係図で言う弾性は元に戻る性質に力と変形の関係が直線である(比例関係・線形)である状態を指す。除荷しても元に戻らず、かつ、力と変形の関係がカーブを描く状態は塑性もしくは非線形であることは良く知られている。ところが実際の現象はカーブは非線系であるが除荷すると元に戻る(原点復帰)する性質がある場合が多い。この現象を非線形弾性と言う。対して前者は線形弾性と称する。最近認められた「限界耐力法」の根拠である「等価線形化手法」は、非線形弾性(元に戻る)を線形弾性とみなすことにより成り立つ手法である1)。木造住宅で採用され始めた「限界耐力法」の計算例は塑性域の非線形カーブをも線形に取り込んで剛性が低い分、みかけの減衰(エネルギー吸収)が上昇する利点を生かしている傾向がある。塑性での減衰(エネルギ−吸収)は、言いかえると建物の損傷そのものである。具体的に言うとエネルギ−吸収が高いとみなされている合板の静的加力実験で得られる復元力特性は、除荷して戻らない塑性カーブであると言うことである。地震の振動現象は静的加力とは異なる、左右加力の繰り返しで歪みは次第に蓄積し、その為に剛性分布の悪い建物は地震時に予想以上のエネルギーを極端にを集中させて、ついには層崩壊をする危険性を多いに含んでいる。エネルギー吸収は、力x変形と言われるがこれからの性能設計の時代は、構造材料の破壊を前提でエネルギー吸収を計るのではなく、力x変形に付加減衰であるダンパーに地震のエネルギーを吸収させる、「損傷制御設計」が必要と考えるが如何な物でしょうか?(多少の我田引水は著者の権利として割り引いてください) 真崎 雄一

参考文献 1)エネルギーの釣合に基づく建築物の耐震設計・秋山宏著 技報堂出版 2002年



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